超能力
『2017/12/18
超能力者になった。
私はなんでも思いついたことができる。
誰かが私に、「モノを浮かせることはできる?」と尋ねた。
私はそんなことは造作もないとサッカーボールを浮かせてみせた。超能力でモノを浮かすのは、目に見えない手を増やすような感覚だった。なのでずっと持ち上げたままにするのは少しだけだるくなる。
体の周りでくるくると回るボールをみて、私に対する視線にやや忌避するような色が入ったことに気がついた。
私は超能力者だから、1人になりたいときはいろんな方法がある。最初私は水面に沈むように地面に溶け込んでみた。だけど真っ暗であんまり静かな地面の下は私には寂しすぎた。孤独を感じない賑やかな場所がいい。私は透明になって映画館のあいた席へと座った。お金を払わなくていいなんてラッキーだな、私はご満悦であった。』
ちょっと切ない系?の夢。
実際に超能力を手に入れたらどうなるんだろう。
本当にこの夢のようにみんなから避けられてしまう気もするが、元々そんなに友達が多くないので私はアリである。
というか折角の超能力を呑気に映画館に忍び込むのに使うというのも、マヌケながら妙にリアリティがある。
小さい頃からたまに考えるのだが、映画館に入場して映画を見終わった後退場せずにいたら映画見放題では?
そううまいことはいかないようにできてるんだろうか。
余談だが、私は中学生の頃初めて一人で映画館に行き、涼宮ハルヒの消失を観た。
少しドキドキしながらチケットに記載された席に向かうと、私の右隣の席に絵に描いたような太めのオタクの方が座っていた。
箱入りの女子中学生にとって彼の隣に座ることは何となく怖く感じ、私は暫し立ち止まる。
…どうせ両隣埋まることはないだろう、ひと席空けて座っちゃおう
その後私が座った席に右隣のオタクよりさらに大きなオタク(Nレア)が来たことは想像に難くない。
あの日の映画館は信じられないほど席の埋まりが良かった。
圧がすごかった。
ハルヒ人気あったんだなぁ。
本当に余談だった。